宇宙定数、結局いる?いらない?

一般相対論の結論であるアインシュタイン方程式の左辺には、宇宙定数(宇宙項)Λ(ラムダ)というのがあります。その宇宙定数について、アインシュタインが入れたり取り消したりいろいろあったというのは有名だと思います。

で、最終的に必要なのか不要なのか、あいまいだったりしませんでしょうか?

以下、私なりの理解です(間違いなどあれば教えてください!)。

■ 結論

結論としては、宇宙定数は必要です。
ただしその値は、10のマイナス120乗以下ととても小さいです。


宇宙定数が必要な理由は、宇宙が加速膨張していることがわかったからです。
10のマイナス120乗以下という値は、観測結果から出たものです。

宇宙の加速膨張が真空のエネルギーによるものだとすると、宇宙定数は理論的にはもっと大きな値になるそうで、このギャップは未解決問題です。

一方、暗黒エネルギー(ダークエネルギー)が原因という説もあり、その場合宇宙項はアインシュタイン方程式の左辺(時空の歪みを表す)に入るのではなく、右辺(エネルギーを表す)に入るようです。つまり宇宙定数というよりはエネルギーとみなすということですね。

経緯

・宇宙定数なし
 (1916年、一般相対論発表時)
  ↓
・宇宙定数あり
 (1917年、宇宙定数がないと宇宙が一定の大きさを保てないと考えて)
  ↓
・宇宙定数なし
 (1929年、ハッブルの宇宙が膨張しているという観測結果を受けて。宇宙自体が膨張しているなら膨張の定数は不要と考えて)
  ↓
・宇宙定数あり
 (1998年、宇宙が「加速」膨張しているという観測結果を受けて。「加速」膨張なら必要なので)


参考:
Eテレ コズミックフロント 「宇宙は偶然か?必然か?最新宇宙論が描く新しい姿」
ナショジオ 宇宙~時空超越の旅~ #2 「宇宙空間の謎」

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