媒介変数(パラメータ)表示する理由は?


高校で習った「媒介変数表示(パラメータ表示)」。
曲線を表現するのによく使われますね。
サイクロイドとか。

相対論などでも出てきます。

どんなときに媒介変数表示するんでしょうか?
どんなメリットがあるんでしょうか?
しないとどんな問題が起きるんでしょうか?

こちらの本に答えが書いてありました。


媒介変数表示しないと、曲線上の点の表示が複雑になるから。

まず、「こういう場合には媒介変数表示しなければならない」という掟はありません。

媒介変数を使わない場合、曲線は方程式で書くことになります。
曲線は「方程式」で書いても「媒介変数表示」で書いてもどちらでも OK です。

なんですが、曲線を扱う場合は特に、媒介変数表示した方がスッキリした扱いやすい形になることが多いんですね。

例えばこの方程式。
$$x^2 + y^2 = 1$$単位円です。
こんなシンプルな単位円でも、曲線上の点の座標はこんな表示になります。
$$(x, \pm \sqrt{1-x^2})$$これ、複雑ですよね。
プラスマイナスの場合分けはあるわ、
根号はあるわ、
あと式には書いてませんが \(-1 \le x \le 1\) という定義域もあります。
さらにこの接線を求めるために微分とかしようとすると面倒です。

これを、\(t\) という媒介変数を導入すると、
$$x = \cos{t}, y= \sin{t}$$ という具合にスッキリした形で表現できます。

さらに、例えば \(t\) に対応する点における接線のベクトルも、成分ごとに \(t\) で微分して
$$(- \sin{t}, \cos{t})$$ という具合にカンタンに求められます。

といわけで、タイトルの
「媒介変数(パラメータ)表示する理由は?」
に対する答えは
「媒介変数表示しないと、曲線上の点の表示が複雑になるから。」
です。

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