【算数】 子どもに 1+1=2 の理由を聞かれたら?

■ エジソン少年の問い

エジソンの伝記を読むと、学校で「1+1=2」を習ったときに

「どうして1+1=2なんですか?」

と質問して先生を困らせた、というエピソードがだいたい載っています。
本当かどうかはわかりませんが。

少し突っ込んだ伝記だと、エジソン少年は

「だって”1個の粘土の塊”と”1個の粘土の塊”をくっつけると大きな1つの粘土の塊になるよ」

と言ってたりします。

みなさんならエジソン少年にどう答えるでしょうか?

私なりに考えてみました。


■ 「1+1=2」は「証明」できる

私は最近まで「1+1=2」というのは公理のようなものだと思っていました。

なので「そう決めた」って答えればいいんじゃないか?と思ってました。

しかしネットを少し調べてみたところ、どうやら「1+1=2」は証明できる類もののようです。
証明例:
http://www.uja.jp/2004/11/proof.html
http://ch.nicovideo.jp/kiguro_blog/blomaga/ar1033799
・・・でも小学生に理解してもらうのは難しそうですね。

なので結論としては、1つめのリンクにあるように

「1 に 1 を足すことは 1 の次の数になるということだから 2 になるんだよ」

というのが答えになるのかもしれません。


■ 粘土の件は?

ではエジソン少年が挙げたとされる粘土の例はどう考えればいいのでしょうか?

私の考えとしては、
「それは数学(算数)ではなく物理モデルの問題です。
 粘土をくっつける前後の個数を数える場合は、”足し算”は物理モデルとしてふさわしくありません。」
となります。

物理は、数学という道具を使って物理現象の仕組みを理解しようとします。

その際、いかに目的に合った形で物理現象を数式(物理モデル)で表せるかで目的の達成度合いが変わってきます。

例えば、手元にあるたくさんのリンゴが何個あるかを数えるのが目的なら、「足し算する」という数式でうまくいきます。

しかしたくさんある粘土の塊をくっつけたときの個数を数えるのが目的なら、「足し算する」という数式は使えなくなるということです。


私自身は小学生の頃
「1個のリンゴと1個のリンゴがあったらリンゴは全部で2個だから1+1=2だよ」
という説明をすんなり受け入れました。

しかしよくよく考えてみるとこの説明は物理と数学の位置づけが逆になってしまっています。

というのは、本来物理と数学は「数学を使って物理を説明する」という関係なのに、上の説明では「物理を使って数学を説明する」ことに挑戦しているからです。

エジソン少年の疑問は、そのように物理と数学の位置づけを逆にして説明しようとしたときに起きる問題をズバリ指摘していると思います。

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