力学的エネルギー保存則の導出


昨日、「運動エネルギー \(\frac{1}{2}mv^2\) の導出」という記事を投稿しました。

実はその最後の式
$$\int_A^B {\vec{F}\cdot d\vec{r}}= \frac{1}{2}m {v_B}^2 – \frac{1}{2}m {v_A}^2$$をもうひとふんばり変形すると、力学的エネルギー(\(T+U\))保存を表す式が出てきます。

今回はその式変形を書いておきます。

(スマホでご覧の方で式の右側がはみだして表示される場合は、式を左右にドラッグすればスクロールします)

■ 力学的エネルギー保存則を導出する

前回の最後の式
$$\int_A^B {\vec{F}\cdot d\vec{r}}= \frac{1}{2}m {v_B}^2 – \frac{1}{2}m {v_A}^2 \tag{1}$$において、\(\vec{F}\) がポテンシャルエネルギーポテンシャルエネルギー(位置エネルギー)\(U\) による力だとすると、
$$F= – \nabla U$$の関係があるので、(1)の左辺は次のように変形できます。
\begin{eqnarray}
\int_A^B {\vec{F}\cdot d\vec{r}} &=& -\int_A^B {\nabla U \cdot d\vec{r}} \\
&=& -\int_A^B {\left( \frac{\partial U}{\partial x}, \frac{\partial U}{\partial y}, \frac{\partial U}{\partial z} \right) \cdot (dx, dy, dz)} \\
&=& -\int_A^B \left( \frac{\partial U}{\partial x}dx + \frac{\partial U}{\partial y}dy + \frac{\partial U}{\partial z}dz \right) \\
&=& -\int_A^B dU = -(U_B – U_A)
\end{eqnarray}これを(1)に代入すると
$$-(U_B – U_A) = \frac{1}{2}m {v_B}^2 – \frac{1}{2}m {v_A}^2$$整理して
$$\frac{1}{2}m {v_A}^2 + U_A = \frac{1}{2}m {v_B}^2 + U_B$$
これは質点が A から B に移動しても力学的エネルギー(\( T+U \))が保存することを表しています。




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