正方行列を分解する(対称 / 反対称、エルミート / 反エルミート)


物理や数学で、

任意の正方行列 = 1/2 * (〇〇行列 + 〇〇行列)

という形に変形することがよくあります。

別々に学ぶと混乱しかねないので、並べて俯瞰しておきましょう。

① 対称行列と反対称行列への分解
② エルミート行列と反エルミート行列への分解


■ ① 対称行列と反対称行列への分解

\(A^T\) を \(A\) の転置行列として、こんな恒等式が作れます。
$$A = \frac{1}{2}(A + A^T) + \frac{1}{2} (A – A^T)$$成分で書くと
$$A_{ij} = \frac{1}{2}(A_{ij}+A_{ji}) + \frac{1}{2} (A_{ij} – A_{ji}) \tag{1}$$右辺第1項が対称成分、第2項が反対称成分です。

■ ② エルミート行列と反エルミート行列への分解

\(A^\dagger\) を \(A\) の転置&複素共役をとった行列として、こんな恒等式が作れます。
$$A = \frac{1}{2}(A + A^\dagger) + \frac{1}{2} (A – A^\dagger)$$成分で書くと(\(\bar{A_{ij}}\) を \(A_{ij}\) の複素共役として)
$$A_{ij} = \frac{1}{2} (A_{ij} + \bar{A_{ji}}) +\frac{1}{2} (A_{ij} – \bar{A_{ji}}) \tag{2}$$右辺第1項がエルミート成分、第2項が反エルミート成分です。




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