【コズミックフロント】 「100年の謎 ブラックホールは存在するか?」 まとめ

下記番組のまとめを書きます。

放送局NHK
番組名コズミックフロント NEXT
100年の謎 ブラックホールは存在するか?
初回放送日時2017.7.20(木) 22:00~

目的は、「見逃してしまった人に、概要だけでもお伝えすること」です。

この番組は今でも「U-NEXT」で視聴できます。
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「コズミックフロント NEXT」のタイトル一覧はこちらです。

導入部より引用

20世紀の初め、1人の天才が科学の常識を一変させます。アルバート・アインシュタイン。宇宙の時間と空間の在り方を斬新な理論で表したのです。

その理論の中ではある奇妙な天体も予言されていました。あらゆるものを吸い込むブラックホールです。こんな天体が本当に宇宙にあるのか?科学者たちはその存在を捉えようと情熱を注ぎます。

理論や観測で存在を示す証拠が次々と発表されました。ある1つを除いて。それはブラックホールの本体、穴そのものがまだ捉えられたことがないのです。

ブラックホールが存在するか否か、最大にして最後の謎。2017年4月、その謎を解き明かすビッグプロジェクトが始まりました。世界各国が連携し、誰も見たことがないブラックホールの穴を撮影しようというのです。

果たして歴史は塗り替えられるのか?謎に包まれた驚異の天体、ブラックホールの正体に迫ります。

概要

・ブラックホールの予言と間接的観測の歴史
・超巨大ブラックホールについての説明
・ブラックホールの穴を直接的に撮影する「EHTプロジェクト」の概要紹介

詳細

■ ブラックホールの存在が理論的に確立されるまで

・1916年、カール・シュバルツシルトが一般相対性理論を元に、下記を理論的に示した。
「太陽なら半径を3km、地球なら半径9mmに縮めると時空の歪みは無限大になる。それより中は光さえ出られないので見ることができない」

・そんな天体は本当に存在するのか?

・スプラマニアン・チャンドラセカール(物理学者)
 ・1929年、当時は死を迎えた星は収縮して白色矮星で止まると考えられていたが質量が非常に大きい星の場合、白色矮星を通り越して無限に小さくなりうることを示した。
 ・アーサー・エディントンは否定。

・1932年、原子の陽子と電子が強く圧縮されると中性子になり、原子の大きさよりも小さくなることができる(中性子星)という理論が発表された。
 ・中性子星は、今では実在することがわかっている。かに星雲など。

・ロバート・オッペンハイマー(物理学者)
 ・太陽の3倍以上重い星が死ぬと、中性子星にとどまらず、無限に小さくなることを計算で導いた。

⇒ チャンドラセカールのブラックホール存在説は「理論的には」正しいことが証明された。

■ 観測による間接的な確認

・例1
1963年、MITが宇宙観測中、はくちょう座の方向に強いX線源を発見。さらなる調査で、そこでは太陽の10倍の質量の天体がないと説明のつかない現象が起きていた。その天体は「はくちょう座X1」と名付けられた(直径60km)。天体そのものが観測できたわけではない。・今では同様の規模のブラックホールの存在が10数個示されている。

・例2
1970年代、天の川銀河の中心に超巨大ブラックホールがあるという論文が発表された。

■ 超巨大ブラックホールについて

・ドナルド・リンデンベル(物理学者)
 ・約40年前、すべての銀河の中心には超巨大ブラックホールがあると提唱。
 ・銀河の中心付近にはバルジという星の集まりがあることが根拠。
 ・当時は観測が困難だったが、最近では様々な銀河の中心にブラックホールの存在が間接的に観測されている。

・形成メカニズム(仮説)
 ・小さなブラックホールが合体した説
 ・最初から巨大だった説・・・初期宇宙のガスが凝集
 ・小さなブラックホールがものを吸い込み続けて成長した説

 ・コールドフロー説
  ・しし座の方角に観測史上最古のブラックホールがある
   ・宇宙誕生から10億年も経っていない頃にできていながら、質量は太陽の20億倍
   ・ティツィアーナ・ディ・マッティオのシミュレーションの結果、温度の低いガスがブラックホールに流れること(コールドフロー)によってこのブラックホールを説明できた。

■ ブラックホールの穴を撮影するプロジェクト始動

・ブラックホールを撮影できたとすると、周囲のガスによって輪郭が浮かび上がったブラックホール(「ブラックホールシャドー」)が撮影できると考えられている。
・ただしそれを実現するには、東京から富士山の頂上に立つ人の表情がわかるくらいの技術が必要。
・それを実現しようとするプロジェクト「EHT (Event Horizon Telescope)」が2017年4月に始動。
・世界8か所の望遠鏡を結ぶ。
・EHTと並行して、ブラックホールの周りのガスを観測する「EAVN」というプロジェクトも稼働中。
 ・日本、中国、韓国に20台の望遠鏡のネットワーク。

感想、個人の意見

2018年5月現在、EHTが始動して約1年になります。
今どんな状況なのかネットを検索してみたところ、EHTのホームページに5月1日付で状況の報告がありました。その最後には次のように書かれています。

As the EHT team begins to analyze the 2017 data on Sgr A* and M 87 over the coming months, preliminary images will begin to emerge, and the searches for the signatures of orbiting material around the black holes will be conducted. It is the most exciting time of the project. We will be sure to share what we find after we have put the data and analysis methods through stringent tests to convince ourselves, and independent astronomy colleagues, of what these horizon-resolving observations tell us.

今年中くらいに何か画像が出て来るかな?


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